【レビュー】フィヨルドブートキャンプを現役Railsエンジニアが徹底解説

フィヨルドブートキャンプ(FJORD BOOT CAMP)は、カリキュラムがハイレベルなことで定評があるプログラミングスクールです。

本記事では、現役Railsエンジニアの管理人が、本当にフィヨルドブートキャンプは難しいのか、卒業生は実力のあるエンジニアになれるのかなど、詳細を確認して紹介します。

メンターは全員が現役エンジニア

フィヨルドには、他のスクールにありがちな「卒業生のアルバイト講師」や「講師専業のスタッフ」はいません。現在も第一線で開発を続けているミドル~シニアクラスのエンジニアが学習をサポートします。

例えば、メンターの伊藤淳一さんはRuby/ソフトウェアエンジニア業界では非常に有名なエンジニアで、何冊も技術本を出版しています。

フィヨルドブートキャンプのメンター伊藤 淳一

他にも、フィヨルドブートキャンプの代表自らがメンターとして参加しています。プログラミング歴27年の人がメンタリングしてくれるって、スクールじゃなくて通常業務でもうらやましいです。

フィヨルドブートキャンプのメンター駒形 真幸

また、メンターがすぐに答えを教えることはせず、自力で答えを導き出すための「調べ方や考え方」を育てるスタイルをとっています。いわゆる「魚を与えるのではなく、釣り方を教える」考えです。

メンターさんには本当に毎週相談させてもらいました。相談する前に、自分で調べたり試したりしたことをまとめて、「今こういう状態で動かないんですが……」と伝えるようにしていました。すると、「このキーワードで調べてみるといいかも」「この機能を作ったことがある人に聞いてみたら?」といった形でヒントをもらうことが多かったです。

直接「ここをこうすればいい」と答えをもらうのではなく、「自分で解決できる力をつける」ためのサポート をしてもらった感覚ですね。

— 公式サイトの卒業生インタビューより

真のエンジニアを育成するための濃密なカリキュラム

フィヨルドでは、Linuxの基礎(コマンド操作やパーミッションなど)やVimの基本操作、Git/GitHubのCUI操作など、「実際の開発現場で初日に求められる土台」を徹底的に叩き込まれます。他のスクールが「初心者が挫折しないように」とスキップしがちな難しい部分にあえて踏み込んでいるのが特徴です。

フィヨルドのカリキュラムの一部:

フィヨルドブートキャンプのカリキュラムの一部

vi、Linux、Gitについては私も毎日業務で使用していますし、当ブログでもいくつも解説記事を書いています。現場で実際に使われる技術をスキップせずに教える姿勢は、現役エンジニアの私から見ても好感が持てますし、「このスクールは現場をわかっているな」という印象です。

現場で求められる技術を妥協なく教えているためか、卒業までのトータル学習時間は1,000〜1,200時間にも及びます。毎日数時間コミットしても、10ヶ月〜1年半ほどかかる圧倒的なボリュームです。

受講途中でも変更可能なコース

フィヨルドには2つの専門コースがあり、受講途中で何回でも変更可能です。

  • Railsエンジニアコース:RubyおよびRuby on Railsを中心に、Webエンジニアに必要なバックエンド・フロントエンドの技術を一通り学びます。
  • フロントエンドエンジニアコース:HTML/CSS、JavaScript/TypeScriptを使い、Webアプリケーションのユーザーインターフェース(UI)を作るための技術を深く習得します。

まずはRailsエンジニアコースから始めて、自分の興味がフロントエンドに向いてきたら途中で変更する、といった柔軟な進め方が可能なのはとても良いと思いました。どちらが得意か・興味が出てくるかは、実際に学習してみないとわからないですからね。

ある程度の規模の会社であれば、フロントエンドとバックエンドはそれぞれ専門のエンジニアが担当する場合が多いので、実際の現場の役割分担にも即していると思います。

実力に裏打ちされた転職支援

フィヨルドは「現場で通用する実力をつけること」に主眼を置いていますが、就職支援も非常に強力です。

  • 提携企業へのメンターからの推薦
  • 合同企業説明会
  • キャリアカウンセリング・個別相談
  • 面接対策・技術試験対策

特に「メンターからの推薦」は、受講生に確かな実力をつけさせている自信の表れという印象です(実力の伴わない人を推薦すればメンター自身の信用に関わるため)。

フィヨルドブートキャンプを卒業していることに対して評価をしてくれる企業の選考を受けたいと思い、フィヨルドブートキャンプの紹介を利用して就職活動を進めました。

公式サイトの卒業生インタビューより

卒業生の就職先

卒業生の就職先には、日本のIT業界を牽引する有名企業が名を連ねています。

フィヨルドの就職先企業
  • pixiv(ピクシブ): イラスト・マンガ・小説の投稿や閲覧が楽しめる国内最大級の作品コミュニケーションサービス
  • マネーフォワード: 個人向け家計簿アプリと法人向け会計アプリ
  • GMOペパボ: レンタルサーバー「ロリポップ!」、ドメイン登録「ムームードメイン」、ECサイト構築「カラーミーショップ」などの運営

本記事の読者の中には、実際にこれらのサービスを使ったことがある人も多いのではないでしょうか。このような企業は何年も経験があるエンジニアにとっても狭き門なので、卒業生を就職させているのは凄いことです。

特に、ピクシブ採用担当者のコメントが印象に残りました。

個人的にはフィヨルドブートキャンプさんの卒業生を、未経験者としてあまり見ていないです。

— 公式サイト:ピクシブ株式会社採用担当者のインタビューより

卒業すると40代でも転職可能?

卒業生の中には40代で転職した人もいるようですが、一般的には40代以上の転職はかなり難しい旨が公式サイトにも書かれています。

不可能ではないですが、フィヨルドブートキャンプで学べるプログラミングスキルに加え、これまでのキャリアで培ってきた特別なスキル、経験、コミュニケーション能力、マネージメント能力などを総合してどのような付加価値を提供できるか戦略的に考えて転職活動を行う必要があります。

フィヨルドブートキャンプのコミュニティ

フィヨルドブートキャンプはただのプログラミングスクールではなく、受講生、卒業生、メンターの横のつながりが深いコミュニティとしても有名です。

カンファレンスへの参加・登壇

フィヨルドブートキャンプはRubyKaigiやKaigi on Railsなど有名な国際カンファレンスのスポンサーとなっています。また、メンターや卒業生がそういったカンファレンスでスピーカーとして登壇することも多く、受講生も積極的に参加しています。受講生のうちからLT(ライトニング・トーク)に登壇する人もいます。

過去には受講生の宿泊費負担を減らすべく、フィヨルドブートキャンプが会場近くに一軒家を借り切ったこともあったようです(フィヨブーハウスと名付けられています)。

オープンソースコミュニティへの参加

フィヨルドのコミュニティだけでなく、外部のオープンソースコミュニティへも積極的に参加することが推奨されています。

実際にカリキュラムの一部として、オープンソースソフトウェア(OSS)への参加方法の講義があります。

また、チーム開発ではフィヨルドブートキャンプ自体のソースコードを開発しますが、このプロジェクトはオープンソースとしてGitHubに公開されています。

こうした学びのおかげで、卒業生も自ら積極的にオープンソースプロジェクトを立ち上げています(例:RubyコンソールにAIエージェントを統合するライブラリ等)。

料金体系

フィヨルドの料金は月額32,780円(税込)のサブスクリプション方式です。

  • 入会金や初期費用:なし
  • 3日間のお試し期間あり:クレジットカード登録は必要ですが、3日後までに退会すれば請求されません。例:7月28日10時10分10秒に参加登録が完了した場合、お試し期間終了は3日後(72時間後)の7月31日10時10分9秒
  • いつでも退会可能:退会当月は日割りではなく月額が課金されますが、翌月からは課金がストップします。
  • 休会制度:最大3ヶ月の休会が可能です。

サブスクリプション方式にはメリットとデメリットがあります。

  • メリット:最初に数十万円のまとまった大金を支払う必要がなく、合わないと感じたらいつでも退会・休会できる。また、努力して早く進めば進むほど総額を安く抑えられる。
  • デメリット:「自走力」を重視するスタイルゆえに、卒業まで平均1年前後かかる。結果として総額は30万〜50万円前後になるケースが多い。ダラダラしてしまうと費用がかさむ原因になる。

まずは無料お試し期間を使い、自分に合うかどうか3日間だけでも体感してみてはいかがでしょうか。

フィヨルドブートキャンプの口コミ・評判

フィヨルドブートキャンプの受講生が書いた、良い口コミ・悪い口コミをネットで探してみました。

良い口コミ

  • メンターの存在が大きく、「実務ではこう書く」など他人が読みやすいコードの書き方を教わることができる。
  • フィヨルドブートキャンプのコミュニティのおかげで、イベントや勉強会を主催したり、登壇してアウトプットしたりと積極的になれた。
  •  学習への要求は厳しいが人は優しい
  • チーム開発で、自分が欲しい機能を自分で作れてとても楽しかった
  • 都合で休会・退会してしまっても、戻ってきたときに途中から続けられた
  • 自分が世の中にあったら良いなと思うものを、オープンソースプロジェクトとしてリリースできるようになった

フィヨルドの受講生や卒業生のxやブログの投稿を見てみると、多くの方がポジティブな投稿をしています。「メンターのレビューは厳しいが、確実に実力がつく」、「コミュニティメンバーの関係性が良く、イベント参加や勉強会を積極的に行っている」といった評価が多いです。

悪い口コミ

  • 学ぶことが多く、完走が大変
  • 一人で長期間勉強するとモチベーションを維持するのが大変。コミュニティを活用することが大事。
  • 子育てをしながら、チーム開発のメンバーと時間を合わせて作業するのが難しかった
  • 提出物がなかなか合格できない。100個近く修正コメントが付いて心が折れそうになった。

悪い口コミはそれほど多くないのですが、「学習時間や提出物に求められるレベルが高いため大変」といった意見が多かったです。

まとめ:フィヨルドブートキャンプがおすすめな人・そうでない人

おすすめな人

  • 転職すること自体がゴールではなく、転職した後に「優秀なエンジニア」として活躍したい人
  • 妥協のない厳しい環境に身を置いて、圧倒的に成長したい人
  • Linux、Docker、Ruby/Rails、TypeScript、自動テスト、スクラム開発など、モダンWeb開発の標準スキルを網羅したい人

おすすめではない人

逆に、以下のような人にはおすすめできません。

  • 手っ取り早く転職したい人: 1,000~1,200時間ほどの学習が必要なため、卒業には10ヶ月~1年半以上の時間が必要です。
  • 厳しい環境だと挫折してしまう人:一つの課題にOKをもらうまで一か月以上かかった人もいるほど、厳しさには定評があります。
  • ゲームエンジニアやデータサイエンティストになりたい人:フィヨルドブートキャンプではウェブ開発を学ぶので、それ以外の分野に興味がある人は別のスクールを選ぶべきでしょう。

もしおすすめの人物像にご自身が当てはまるようなら、フィヨルドブートキャンプにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。