ExpressVPNとNordVPNは、知名度やマーケットシェアの観点からVPN(Virtual Private Network)プロバイダーの2大巨頭とも言うべき存在ですが、実際にはどちらの方が優れているのでしょうか?
そこで本記事では、現役ITエンジニアの筆者が実際に使ってみた経験を踏まえ、以下の各項目でおすすめのVPNを解説します。
比較軸
- 通信速度
- 価格
- 設置サーバ台数
- 同時接続デバイス数
- セキュリティ&プライバシー
- 専用固定IPアドレス
また、各VPNの詳細は以下の関連記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
通信速度
筆者がSpeedtestというアプリを使って行った速度テストでは、遅延は両者互角、ダウンロードではExpressVPNの圧勝、アップロードではNordVPNが若干速い、という結果でした。
テスト結果の詳細を見る
接続先テストサーバ:IPA CyberLab 400G (東京)
接続元:東京都内某所のフリーWi-Fi
VPNなし
| レイテンシ (ミリ秒) | ダウンロード (Mbps) | アップロード (Mbps) | |
| 1回目 | 6.153 | 272.8893 | 134.9185 |
| 2回目 | 6.631 | 314.4526 | 115.6223 |
| 3回目 | 6.301 | 351.8734 | 132.7181 |
| 平均 | 6.36 | 313.07 | 127.75 |
ExpressVPN
| レイテンシ (ミリ秒) | ダウンロード (Mbps) | アップロード (Mbps) | |
| 1回目 | 11.49 | 330.1239 | 113.587 |
| 2回目 | 11.056 | 312.5848 | 101.3095 |
| 3回目 | 10.89 | 356.4544 | 97.97549 |
| 平均 | 11.15 | 333.05 | 104.29 |
NordVPN
| レイテンシ (ミリ秒) | ダウンロード (Mbps) | アップロード (Mbps) | |
| 1回目 | 10.524 | 154.8256 | 140.6235 |
| 2回目 | 10.752 | 151.7919 | 140.7534 |
| 3回目 | 10.544 | 152.8135 | 136.4462 |
| 平均 | 10.61 | 153.14 | 139.27 |
まとめ
| レイテンシ 増加 | ダウンロード維持率 | アップロード 維持率 | |
| ExpressVPN | 4.78 | 106.38% | 81.63% |
| NordVPN | 4.25 | 48.92% | 109.02% |
注)維持率が100%を超えているのは、VPNを使うことでインターネットサービスプロバイダーの帯域幅制限を回避できたことが主な原因と思われます。
インターネット上のほとんどの操作はデータのダウンロードがメインとなるため、一般的な用途ではExpressVPNがおすすめです。
ダウンロード速度が重要な操作:
- 動画の視聴(YouTube, Netflix, Prime Video などの 4K/HD 再生)
- Webサイト・SNSの閲覧(画像や動画の読み込み)
- ゲームやアプリ、大容量ファイルのダウンロード
一方、以下のような特定の用途ではアップロード速度が重要になるため、NordVPNがおすすめです。
- 動画配信・ライブストリーミングを自ら行う
- 大容量ファイルを外部に送信・共有する
価格
どちらのプロバイダーも、契約期間が長いほど月額料金が割引になる料金体系を採用しています。
どの契約期間でもプランによって価格幅がありますが、プランの違いはどちらのプロバイダーも以下のような内容です。
- ベーシックプラン:VPN機能
- 真ん中のプラン(ExpressVPNはアドバンス、NordVPNはコンプリート):ベーシックプランに広告&トラッカーのブロック機能などのアドオンが追加
- 最上位プラン(ExpressVPNはExpress Pro、NordVPNはエリート):真ん中のプランに専用固定IPが追加
各VPNの月額料金:
| 契約期間 | ExpressVPN | NordVPN |
| 1ヶ月 | 2,480~3,680円 | 2,280~3,380円 |
| 1年 | 680 ~ 1,180円 | 880 ~ 1,280円 |
| 2年 | 480 ~ 980円 | 580 ~ 980円 |
旅行や出張などで一か月だけ使うのであればNordVPNの方が安いです。
逆に1年以上の長期の利用であれば、ExpressVPNの方が安いです。
設置サーバ台数
設置サーバ台数が多いと、以下のようなメリットがあります。
- トラフィック負荷を複数サーバに分散できる
- 特定サーバが遅くなった時に別サーバに接続できる
サーバ台数比較:
| ExpressVPN | NordVPN | |
| サーバ台数 | 非公開(推定3,000台以上) | 8,900台 |
| ロケーション数 | 214 | 224 |
ExpressVPNはサーバ台数を公表しておらず、3,000台強と推定されますので、NordVPNが上回っています。
利用したい特定地域におけるサーバ台数が必ずしも多いとは断定できませんが、統計的にはNordVPNのサーバ数が上回っている可能性が高いでしょう。
そのため、世界中の様々なサービスに安定的に接続したい、という方にはNordVPNがおすすめです。
同時接続デバイス数
PC、スマホ、タブレット、fireTVなど、多くのデバイスを持っていたり、家族間でVPNを共有したい場合は、ExpressVPNがおすすめです。
NordVPNはすべてのプランで同時接続台数が10台と固定されていますが、ExpressVPNはプランによって台数が増加します。
| ExpressVPN | NordVPN | |
| 同時接続台数 | 10~14台 (プランによる) | 10台 |
そのため、11台以上のデバイスをVPN接続したい場合は、ExpressVPNの上位プランを選ぶと良いでしょう。
セキュリティ&プライバシー
ExpressVPNもNordVPNもセキュリティとプライバシーを重視しており、共通して以下のセキュリティ対策を行っています。
- 高度な暗号化規格であるAES-256を使用。
- ノーログポリシーを採用し第三者機関による監査を実施。
- プライベートDNSサーバでユーザアクティビティを秘匿。
- 将来的な量子コンピュータによる暗号解読の懸念に対して、ポスト量子保護を提供。
上記に加え、ExpressVPNは以下の独自のセキュリティ対策を取っています。
- VPNサーバにRAM(メモリ)専用サーバを採用し、ハードディスクへのデータ書き込みを回避。
- Lightwayプロトコルはセキュリティで定評のあるRustプログラミング言語で実装。オープンソースで透明性も確保。
NordVPN独自のセキュリティ機能
- 複数のVPNサーバを経由するダブルVPNを任意で使用可能(一部ロケーションのみ)。
- The Onion Router (Tor) を使用可能(一部ロケーションのみ)
個人的には、ExpressVPNが通常のVPN利用におけるセキュリティを底上げしているのに対し、NordVPNの独自機能は実際に使う場面が少ないという印象です。
専用固定IPアドレス
ExpressVPNもNordVPNも、最上位プランには専用固定IPアドレスが含まれており、それ以外のプランでもアドオンとして追加購入することが可能です。
また、どちらのVPNでも日本ロケーションで専用固定IPアドレスを取得することができます。
そのため、専用固定IPアドレスを取得するのであればどちらのVPNもおすすめです。
まとめ:短期契約の価格とサーバ台数ならNordVPNだがそれ以外ならExpressVPN
本記事では、ExpressVPNとNordVPNを比較しました。
ExpressVPNがおすすめなのは以下のような人です。
- 一般的な用途でのダウンロード速度を重視したい人
- 1年以上の利用を予定
- 11台以上のデバイスを所持
- セキュリティを重視
一方、NordVPNがおすすめな人は以下の通りです。
- YouTuberなど動画配信をVPN経由で行いたい人
- サーバー台数重視
- 短期での利用予定(1ヶ月~数ヶ月)
どちらもすぐれたVPNなので、自分にあった方を選択しましょう。
